人類滅亡のシナリオ。
- 作者: 森岡正博
- 出版社/メーカー: トランスビュー
- 発売日: 2003/10/16
- メディア: 単行本
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もし、時代を先読みしたいと思う人が居たら、この無痛文明論は目を通しておいた方がいい。
以下の文は無痛化というワードを理解した人に向けて書いているので、そうでない人にはわからないかもしれない。
無痛化はどんどん人を中庸なものに変えていく。
便利な世の中はいずれ人類を根絶やしにするだろう。
抗う方法はない。
どちらにしても、悲劇が付きまとう。
中間は無い。
世のため人のため、世界が頑張り続けた結果、人類滅亡とは厳しいね。
無痛化、人類奴隷化は、人類が望んだことだから仕方ない。
創造維持破壊。
情報ネットワークの普及によって世の中は大きく動き続けている。
音も無く忍び寄る人類の最後が、もう遠くない未来に訪れる。
人類を根絶やしにするのは、核でも天変地異でもない。
合理化とネットワークだ。
人口はどんどん減少し、日常には危険がなくなり、事故で死ぬこともなく、恐怖を知らず、寿命を全うして逝く。
性交渉なくして子供は誕生し、親なくして子は育ち、温室から一歩も外に出さず管理下の元に生き続ける。
おそらくほとんどの人は去勢される。
つまり、人類による人類の家畜化。
それが滅亡へと続く。
生命倫理なんぞ、人の欲望に敵うわけがない。
スピリチュアルVS科学
どちらに大きく転んでも人類滅亡。
おそらく今後も科学が優勢だろう。
宗教もオカルトも、合理化が進むごとに駆逐されていくのだろうか。
徹底管理は息がつまるよ。
平和の代わりに、虚ろな表情の人々。
トラブルの無い生活の代わりに、勇気をことごとく失った未来人。
アップルはiCloudで個人のプライベートを管理してくれるが、便利だとそれだけアップルに依存するようになる。
アップルは我々の生活をより無痛化してくれるはずだ。
siriもそのうち人工知能が進化して、ビジュアルを持つようになるだろう。
声も表情も仕草も、とても人間らしくなり、アップルが管理するiCloudのパーソナルデータを参考にして、siriはあなたの一番の理解者となるだろうし、親友あるいは恋人になるかもしれない。
そして、機械との意思疎通が主になって、しまいには人間の必要性が議論され…
無痛化は、人類の英知の結晶であり、同時に滅亡の鍵となる。
ならば、無痛化を止めよう!という意見もあるのだろうが、あなたはやめられるか?この便利な暮らしを。
無痛化は止まらないし、無痛化ほどビジネスになることもない。
家畜になりたいのなら、家畜にしてあげることが、善行ではないだろうか。
さあ、歩もう。これからも、滅亡に向けて。