学校では教えてくれない裏の価値観

日常に根ざした事柄を追求して、はっきりといわせてもらいます。

理想の職場作り

人間関係が希薄になりつつあるご時世。

人はいつだって一人では生きられないし、できれば誰かと繋がっていたい。
話し合うことも笑い合うこともなく過ごす日々では、寂しさを感じてしまう。
ならば自ら行動して人に会いに行くのか?それも何だかんだ億劫だったりする。
だからこそ、理由もなく当たり前のように共に過ごせる相手が重要だ。
それは、家族かもしれない。恋人かもしれない。同僚かもしれない。

とにかく、一緒にいることが当たり前の存在。

人生は一度きり、その長い人生の中、少しでも笑って過ごす時間を増やしたいなら、いい人たちに囲まれて過ごすこと。
だから、現代社会を生きる僕らにとって、職場選びはとても大事だ。

項羽と劉邦という小説を読んで思うことがあった。
それは漢帝国を長らく繁栄させた劉邦というリーダーの人柄だ。
本人は特別な優秀さを備えた人ではない。平民だし、なんの力もなかった。しかし、彼にはどうにも放って置けない魅力がある人間だった。だからこそ、周りが彼を助けるように働く。もちろん、劉邦自身は自分を支えてくれる周りの人に対する敬意を常に表し、決して軽んじたりはしなかった。だからこそ助けられ支えられ、彼の勢力はどんどんと膨らみ、天下を取るに至った。
だから、リーダーは自分を助けてくれる人を大切にしないといけない。
劉邦という成功例から考えるに、リーダーシップとは部下のご機嫌伺いであって、無理難題を強いたり威張ることではない。
劉邦の場合には、実務を行うのは補佐の役目であり、彼らの優れた意見を呑むことで適材適所がなされていた。
そして、全ての悪を根絶しようとせず、可能な限り受け入れることでより大きな力を得た。
人は一人一人意思を持っているし、感情がある。部下とはどんな命令にも従うロボットのように扱えるものだと思われては心外だし、そんな風に扱おうとする上司は最悪なパターンである。
結論としては、リーダーたるもの部下のご機嫌伺いができて一人前と考える。部下が持つ能力をうまく発揮させられる力。
もちろんリーダー本人が優れているに越したことはないが、たとえ、実務に優れずとも、人望があれば部下が支えてくれるだろう。
国王も経営者も、トップに立つものが独裁をするような国には成功例がない。仮に創始者にカリスマ性があって、独裁で上手くいくことがあったとしても、世代交代でダメになる。
トップに立つものは人心掌握さえできれば良かった。

だからこそ、これからの企業が注目しなければいけないのはお客様だけじゃない。社員も大事だ。
戦国の世でも、戦さを行う上で、敵軍の情報を仕入れ、様々な戦略を練ることは当然必要であることだが、自軍の士気や練度が低くては話にならない。士気を高めるには何が効果的だろうか。
それは、いかに働きやすい会社づくりをするか、いかに社員が楽しく過ごせるか。リーダーが考えなくてはいけない。
人生の中で最も長い時間を過ごす場所が会社であると言うのなら、そこでの過ごしやすさが社員にとってかなり大事なとこだと思う。給料も確かに大切だと思う。しかし、大切なのは給料だけだろうか?そんなことはない。例え給料が少し安くても、毎日楽しく過ごせる職場で働きたいと思う人はたくさんいるはずだ。

家と職場、どちらがより楽しい場所か?家と答えるのが当たり前だ、という意識をひっくり返すほどの改革を行い、そこに居る人達が居心地の良さを感じられる職場になれば、士気は向上する。

ただ、仕事をする以上、どうしたってストレスはたまる。そんなときストレス発散に最も効果的で、経費のかからないことは何か?
「それは、笑うこと」
とにかくたくさん笑うこと。笑える時間を出来るだけ増やすこと。笑えない職場はストレスでしかない。笑ってはいけない雰囲気なんて害悪でしかない。
つまらない冗談でも構わない、それが笑いに繋がるのなら、とても生産的なことだ。
それに、笑い声のする職場というのは雰囲気も良い。明るい表情のままでお客さんにも接することができる。
明るい雰囲気は、新しい戦力である社員を増やすことにも繋がる。
誰だって、雰囲気は明るくて、出来れば楽しく過ごせる会社へ入りたいと思ってるはず。

 

企業はこの新しい時代と、その時代を生きる人々に、対応すべく変化しなければならない時が来ている。

既存の当たり前を廃して、近代化を成し遂げたことで、西欧列強からの侵略を防ぐことに成功した明治維新のように、それまでの縦社会の体育会系な企業体質を見直さなくてはいけない。

人事評価に、人を笑わせる、職場の雰囲気を良くする人材というものも重視してほしい。
そうして築き上げた、職場の雰囲気の良さが幸いしてお客さんも笑わせることができたら、それは素晴らしい成果だと思う。